冬の図書館で起きた一夜の奇跡
吹雪で閉じ込められた「ぼく」が見た不思議な「本」の世界
『図書館の子』
文:佐々木譲
絵:蒲原みどり
音楽:竹本利郎
制作:Johs Picture Book Project
[あらすじ]
吹雪のきざしの冬のある日。
「ぼく」は用事で出かけたかあさんの帰りを街の図書館で待っていた。
日が暮れてもかあさんの迎えはなく、窓の外は猛吹雪。
早めの閉館を決めた大人たちは、「ぼく」に気付かず、ドアを閉めて帰ってしまった。
閉じ込められた「ぼく」の前に現れたのは、奇妙な服を着た「おじさん」。
「おじさん」が本を開くとそこには不思議な世界が広がっていた・・・。
[北海道発。直木賞作家 佐々木譲による電子書籍プロジェクト第三弾!]
直木賞作家・佐々木譲が中心となり、出身地 北海道の有志と共に電子書籍の絵本を発行する「Joh’s Picture Book Project」。
好評を博した一作目『サーカスが燃えた』、二作目『はるがくる』に続く待望の三作目としてリリースするのが『図書館の子』です。
この作品は佐々木譲による書きおろしの原作に、札幌を拠点に画家・装丁家として活躍する蒲原みどりが絵を添え、さらに国際的なチェリストであり現在は札幌を拠点に活動する竹本利郎が音楽を担当し、完成させました。
関わるスタッフすべてが北海道出身で、まさにMade in Hokkaidoと呼ぶにふさわしい作品となっています。
[プロフィール]
文:佐々木譲
北海道生まれ。青年時代を札幌で過ごす。札幌の広告代理店でコピーライターとして働いた後、自動車メーカーの販売促進部に移る。1979年、オール読物(文藝春秋刊行の小説雑誌)新人賞を受賞し て小説家としてデビュー。初期の作品はおおむね 青春小説、ミステリに分類される作品であるが、次第に歴史小説やノンフィクションにも分野を拡げた。50以上の作品があり、推理作家協会賞、山本周五郎賞、新田次郎文学賞など受賞歴も多い。またデビュー作の『鉄騎兵、跳んだ』や、山本周五郎賞受賞の『エトロフ発緊急電』、さらに『笑う警官』『警官の血』『五稜郭残党伝』など、多くの作品が映画化、テレビ化、舞台化されている。2010年1月、『廃墟に乞う』で第142回直木賞三十五文学賞を受賞 。日本ペンクラブ 、日本推理作家協会の会員である。東京農業大学客員教授 。
絵:蒲原みどり
北海道生まれ。自然の風景を過去の記憶と重ねて描いた絵画作品を制作。ビジュアルデザイナーとし て広告デザイン、イラストレーション制作の他に、本の装丁デザイン、挿絵を手掛ける。主な装丁デザインに『五十嵐淳/状態の構築』(TOTO出版)、『五十嵐淳/状態の表示』(彰国社)、『生きているからいきてゆける/曽田雄志』(HS出版)、『北海道のバラづくり/工藤敏博』(北海道新聞社)などがある。
音楽:竹本利郎
北海道生まれ。1975年イタリアに渡り、ナポリのサン=ピエトロ国立音楽院に入学。チェロをラ・ヴォルペ・ウィリー氏に師事すると同時に、ローマのサンタ=チェチーリア音楽院にて室内楽を学ぶ。1978年、RAIアレッサンドロ=スカルラッティ管弦楽団とアルベール・ルセールのチェロ協奏曲を共演、同年RAIイタリア放送の番組“ムジカ・アル・スペッキオ”にてヴィヴァルディの全ソナタを録音する。1980年、サン=ピエトロ国立音楽院を卒業。パリ、エコール・ノルマル音楽院に入学後、1985年フランス、ヌムールでの第3回チェロ国際フェスティヴァルに出演。1986年、パリ、エコール・ノルマル音楽院の最終過程を満場一致で卒業。その後、一時帰国して、東京にてフリーで演奏活動。1991年、再び渡仏してパリ、エコール・ノルマル音楽院にて(故)レーヌ・フラショ女史の助教授を務める。1994年8月に帰国し、札幌コンセルヴァトワールで室内楽を教えるかたわら、フリーで演奏活動を続けている。1995年9月に、チェコ共和国のプラハで制作された初のCD(竹本利郎ファンタスティックコンサート)が日本でも発売されている。